読売テレビに2001年に入社し、たちまちその才能を開花させた清水健アナウンサー。愛称シミケンとして親しまれ、『どっちの料理ショー』への出演を皮切りに、2011年秋には『かんさい情報ネットten!』のメインキャスターに抜擢されるまでに。彼の鮮やかなキャリアは、関西地方の夕方の顔として、読売テレビのエースアナへと華々しく躍進しました。
2013年、番組のスタイリストであった奈緒さんとの結婚。そして翌年、夫妻にとっての幸せな知らせ、奈緒さんの妊娠が発覚します。しかし、この喜びも束の間、奈緒さんの乳がんが発見されるという突然の試練が訪れます。医師からは赤ちゃんを諦めて治療を優先するよう勧められましたが、二人は「子どもも治療も諦めない」という困難な決断を下します。 奈緒さんは乳がんの手術を受け、2014年10月には男の子を無事に出産。しかし、出産後の奈緒さんの体は病魔に蝕まれていきます。
清水健アナは、『かんさい情報ネットten.』のメインキャラクターとしての活動を「家族の介護」という理由で休養に入ることを発表しました。その時、奈緒さんの状態はほとんどの人には伏せられていましたが、親しい人たちは清水アナの苦悩を察していました。 2015年2月11日、奈緒さんは29歳の若さでこの世を去ります。葬儀で、清水健アナは生後三ヶ月の息子を抱き、奈緒さんへの愛と感謝、そして未来への決意を込めたあいさつをします。
「『まだまだいい妻でいたい、いいママでいたい』と言っていた奈緒。彼女は最高の妻であり、母でした。彼女の遺志を継ぎ、息子と共に前を向いて歩んでいきます」と。 奈緒さんと過ごせたのは結婚からわずか1年9ヶ月、ママとしては112日間のみ。この短い時間が、清水健アナにとってはかけがえのない宝物となりました。奈緒さんの死後、清水健アナは『かんさい情報ネットten.』のメインキャスターとして復帰しますが、その憔悴しきった姿は多くの人々の心を痛ませました。
この苦難の時期を経て、清水健アナは同じ境遇にある人々との交流の中で、自分に何ができるかを深く考え始めます。
そして、奈緒さんの一周忌にあたる2016年2月に『112日間のママ』を出版。この本は、発売1ヶ月で10万部を超える売上を記録し、彼と奈緒さんの物語は多くの人々に勇気と希望を与えました。
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